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【夏場に要注意】食中毒を防ごう!知っておきたい代表的な食中毒の原因菌とその対策
気温・湿度が高くなる夏は、細菌による食中毒が多発する季節です。特に食品工場や飲食店など、食品を取り扱う現場では日頃からの衛生管理が欠かせません。
この記事では、代表的な食中毒菌の特徴と、予防のための基本対策をわかりやすくご紹介します。
食中毒予防の「三原則」
細菌やウイルスによる食中毒を防ぐには、以下の三原則を守ることが重要です。
1. つけない(細菌を食品につけない・交差汚染の防止)
- ・生肉や魚介類は、他の食材と別の容器・包丁・まな板で調理しましょう
- ・手洗いの徹底、器具の洗浄・消毒をこまめに実施しましょう
- ・食材は密閉容器に入れ、冷蔵庫内の汚染を防ぎましょう
2. 増やさない(細菌の増殖防止)
- ・食品は、冷蔵(10℃以下)または冷凍(⁻15℃以下)で保存しましょう(※家庭用冷蔵庫では5℃以下が推奨されています)
- ・作り置き料理は調理後すぐに冷却し、速やかに冷蔵庫へ入れましょう
- ・調理後の食品は、室温で長時間放置しないようにしましょう
3. やっつける(加熱殺菌)
- ・加熱調理は、食品の中心温度75℃以上で1分以上加熱しましょう
- ・保温は60℃以上が望ましいです(60℃未満では菌が再増殖する恐れがあります)
- ・食器・調理器具は、高温洗浄または定期的な消毒を実施しましょう
主な食中毒菌とその特徴・対策
カンピロバクター
国内で最も多い細菌性食中毒の原因菌です。鶏などの腸内に常在しており、加熱不十分な鶏肉での感染が多数報告されています。
- ○感染源例:鶏のたたき、生焼けの鶏肉、鶏レバー、井戸水・湧き水など
- ○潜伏期間:1~7日(やや長め)
- ○主な症状:腹痛、下痢、発熱、嘔吐、頭痛など ※ごくまれにギラン・バレー症候群(神経障害)を引き起こすこともあります。
- ○主な対策:
- ・鶏肉は中心部までしっかりと加熱しましょう(75℃で1分以上)
- ・生肉と他食材は分けて保存しましょう
- ・調理器具・手指の洗浄・消毒を徹底しましょう
※カンピロバクターは冷蔵や冷凍では死滅しません。十分な加熱により簡単に死滅させることができます。
腸管出血性大腸菌(O157など)
非常に少ない菌数で感染し、人から人へもうつることがある強毒性の菌です。「O157」以外に「O111」「O26」などもあり、ベロ毒素(志賀毒素)という強い毒を出します。
- ○感染源例:生肉、汚染された野菜・水、接触感染など
- ○潜伏期間:4~8日
- ○主な症状:激しい腹痛、水様便、血便、発熱 ※重症化すると溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起こすことがあります。
- ○主な対策:
- ・食肉は中心部までしっかりと加熱しましょう(75℃で1分以上)
- ・焼肉やバーベキューでは生肉用と食事用のトング・箸を使い分けましょう
- ・手洗いと器具の洗浄・消毒を徹底しましょう
※この菌は三類感染症に指定されており、診断を下した医師は最寄りの保健所への届け出義務があります。また保菌者は陰性確認が取れるまで調理業務に就けません。
サルモネラ属菌
鶏・豚・牛の腸内や、土壌・水などに広く分布しています。卵や肉類を通じた感染が多く、少量の菌でも発症します。
- ○感染源例:卵、生肉、内臓肉、スッポン、ウナギなど
- ○潜伏期間:6~72時間
- ○主な症状:腹痛、下痢、発熱、嘔吐など ※比較的高熱が出やすいのが特徴です。
- ○主な対策:
- ・卵・肉類は中心までしっかりと加熱しましょう(75℃で1分以上)
- ・卵の殻にも菌が付着しているため、手洗いや器具の洗浄を徹底しましょう
- ・生卵は新鮮なものを冷蔵保存し、期限内に使用しましょう
- ・害虫(ネズミ・ゴキブリ)対策を徹底しましょう(病原菌を媒介する可能性があります)
- ・従業員の定期的な検便も重要です
黄色ブドウ球菌
人の皮膚や鼻の中などにいる常在菌ですが、食品の中で増えると、下痢や嘔吐を引き起こす毒(エンテロトキシン)を作ります。この毒素は加熱しても分解されないため、加熱しても食中毒を防げません。
- ○感染源例:おにぎり、サンドイッチ、弁当など手で調理する食品
- ○潜伏期間:1~6時間(非常に短い)
- ○主な症状:嘔吐、腹痛、下痢など
- ○主な対策:
- ・手洗いの徹底、必要に応じて使い捨て手袋の使用しましょう
- ・手指に傷や化膿がある場合は調理を控えましょう
- ・調理後は速やかに提供するか、冷蔵保存しましょう
- ・常温で長時間放置した食品は廃棄しましょう(再加熱しても毒素は残ります)
より詳しい衛生管理情報はこちら
上記以外にも食中毒を引き起こす細菌やウイルスなどがあります。詳しくはこちらもご確認ください。
▸厚生労働省:食中毒
▸厚生労働省:HACCP(ハサップ)
▸厚生労働省:大量調理施設衛生管理マニュアル
衛生管理に役立つ商品を取り揃えています
当社では、食品工場や飲食店でお使いいただける、下記の衛生資材を多数取り扱っています。
お気軽にご相談・お問い合わせください。
▼参考サイト
▸(公社)日本食品衛生協会「知ろう!防ごう!食中毒(病原大腸菌食中毒)」
▼関連サイト
▸WEBカタログ(衛生用品/作業者用)はこちら
▸WEBカタログ(衛生用品/設備・施設用)はこちら